「どうしてそんなに
子供時代の話を聞くんですか?」
これは、お客様に、
ほぼ必ず聞かれる質問です。
夫婦関係の悩み、子育ての悩み、
人間関係、不安、自信のなさ…。
「今の悩み」を相談しに来てくださっているのに、
なぜ私は、子どもの頃の話まで、じっくり聞くのか。
それには、はっきりした理由があります。
悩みは、捉え方で苦しさの大きさが決まる
いま目の前で起きている悩みは、
実は「出来事そのもの」よりも、
その出来事をあなたがどう捉え、
それに対して心がどう反応しているか
によって、苦しさの大きさが決まっています。
だから、同じ出来事でも、
ほとんど気にしない人と、
深く傷つく人がいます。
この違いは、性格の問題ではありません。
では、なんでしょうか。
反応の正体は、子どもの頃の記憶
出来事への捉え方や、感情の反応は、
ほとんどが子供の頃からの経験の積み重ねで
形づくられています。
誰かの言葉に過剰に傷ついたり、
些細なことで強い不安を感じるとき、
その奥にはたいてい、
「見捨てられるのが怖い」
「自分には価値がない」
「自分は失敗ばかりする人間だ」
「調子に乗ると怒られる」
こういった感情が静かに隠れています。
それらはすべて、
子供の頃の記憶や体験と結びついたまま、
潜在意識の中に残っている感情です。
だから私たちは、
「いま起きている出来事」に反応しているつもりでも、
実際には、その出来事に「過去の感情」が結びつき、
反応しながら、生きているのです。
そしてそれこそが、
同じ出来事でも、人によって
感じ方がまったく違う理由なのです。
「自分の価値」を無条件で感じられますか?
私達の捉え方や、感情の一番奥には、
いつも「自分の価値」があります。
その土台は、幼い頃に親から
どんなふうに受け止められてきたか、
その関係性の中で、静かに形づくられていきます。
無条件に「いてくれるだけでいい」と
認められて育った人ほど、
自分への価値を自然に感じています。
一方で、
「うまくできたら価値がある」
「できなければ価値がない」
そんな条件付きでの価値をどこかで感じてきた場合、
「失敗」と「自分の価値」が結びつく”記憶”があり、
その “根っこ” が、無意識に強く反応します。
そして、大人になってからも、
「うまくできなかった、私はダメだ」
と、過剰に自分を責めてしまうのです。
無条件で自分の価値を感じている人は、
「ミス」と「自分の価値」が結びつく
“記憶の根っこ”がないため、
意識は、自然に出来事に向かいます。
「次はどうするか」
そこに心のベクトルが向き、
自分を責める方向には進まないのです。
なぜ私は「子どもの頃の話」を聞くのか
私は、目の前の出来事の
対処法を探す人ではありません。
出来事に反応している、
あなたの心の奥を見つめます。
「なぜ、そこにあなたの感情が反応するのか」
その根っこを一緒に見つけていきます。
そのためには、
子どもの頃からの人生の話を聞く以外に、
方法がないと思っています。
どんな家庭で育ったのか
親との関係はどうだったか
どんな言葉をかけられてきたのか
どんな時に我慢し、どんな時に傷ついたのか
その”記憶の根っこ”を辿ると、
「なぜ自分はこう感じるのか」
「なぜこの言葉に反応するのか」
「なぜ相手を責めてしまうのか」
それらが、必ず見えてきます。
だから私は、子どもの頃の話を聞くのです。
ここが見えた時、
出来事に振り回されていた感情は、
静かに力を失っていきます。
不安や怒りに蓋をしないこと。
根っこに気づき、受け止める。
そこから変化は静かに始まります。


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