変わったのは、息子ではありません。
母の反応でした。
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大学受験の結果が半分ほど出揃った、2月の半ば。
不合格が続き、家の中には重い空気が流れていました。
その朝、息子のコウタ君(仮名)を起こしに
部屋へ入った時、
ホワイトボードに殴り書きされた言葉が目に入りました。
どうやら、夜のうちに書いたようでした。
「1年間無駄だった」
以前のヒカリさん(仮名)なら、こう言っていました。
「こんなこと書いてる暇があったら勉強しなさい!」
でも、その日のヒカリさん(仮名)は違いました。
「こんな言葉、
1秒もコウタの目に焼き付いて欲しくない。」
そう言って、すぐに消したそうです。
変ったのは息子ではありません
ヒカリさんは、ずっと息子さんを責めていました。
中学受験で第一志望に届かず、
中学、高校では成績も不安定。
問題を起こしては呼び出しを受ける。
大学受験も不合格。
そして、浪人。
以前の彼女は、
・現役で受かった子を羨み
・息子を責め
・夫と一緒に諦めの言葉を交わす
「どうしてこんな子に育ったのか」
ヒカリさんは、長い間ずっと、
苦しみに飲み込まれていました。
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そんな時、私は対話の中で、
ヒカリさんに「息子の問題」ではなく、
「自分の反応」を見つめてもらいました。
ヒカリさんに最初にお願いしたのは、
子ども時代の話を聞かせてもらうことでした。
怒りは、今の出来事に対するものではなく、
過去の未処理の感情が再生されているからです。
なぜ私が子どもの頃の話を聞くのか。
そこには、反応の“根っこ”があるからです。
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子ども時代に抱えた
認めてもらえなかった思い。
責められ続けた記憶。
そこを一つずつ見ていくうちに、
彼女は気づきました。
息子への怒りは、
“自分への怒り”だったのだと。
お母さんの変化
今、受験は厳しい状況です。
昨年に続き、思うような結果は出ていません。
でも、ヒカリさんの視点は変わりました。
「どう責めるか」ではなく、
「どう支えるか」
に変わったのです。
不合格の通知を見た日も、
以前なら怒りや不安が先に立っていた彼女が、
今はまず、息子の表情を見ていました。
「今、この子は何を感じているんだろう」
「どうか自分を責めないでほしい。」
そう考える自分に、
彼女自身が一番驚いていました。
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コウタ君の現状が、
ヒカリさんの思う通りに
進んでいるわけではありません。
怒りを止められなかった
ヒカリさんの“反応”が止まったのです。
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結果はまだ途中です。
ヒカリさんは、今、
苦しみに飲み込まれていません。
お母さんが変わると
同時に、家庭の空気は
まるで別物になっています。
これが、
“内側が変わる”ということ。
TERESA’S MESSAGE
子どもを変えようとする限り、
戦いは終わりません。
でも、
自分の反応が変わるとき、
世界は静かに変わり始めます。
もし今、
「なぜこんなにうまくいかないのだろう」
と感じているなら、
一度、自分の内側を静かに見てみる時間を
持ってみてもいいかもしれません。
▶︎ 自分を整える伴走について

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